小さくても競争力抜群の国

最近のアパレル関連のニュースでよく見かけるのが、国内アパレル企業の国際進出の記事。
進出先としては我が国から近いアジアが多いのですが、
その中でもシンガポールへの進出に特に力をいれている企業が多いようです。
今日見つけた記事でも、このことについて言及しているものがありました。
「シンガポールビジネス事情」なぜ今シンガポールなのか (アパレルウェブより)
国土面積は、東京23区ほどの小さな国です。
にも関わらず、国際競争力は世界第二位。(2012年データ)
上記アパレルウェブの記事にもあるように、企業がシンガポールに進出する理由は明らか。
・関税ゼロ%
・法人税が安い
・物流インフラに優れている
・優れた商習慣
・小売市場の成長
・知的財産保護への意識
世界の名だたる大企業がアジアの拠点として
シンガポールにデータセンターなどを置くのも納得です。
関税や法人税などは直接仕事で関わる人以外は実感しにくい利点ですが、
物流面で優れているというのは目に見えて明らかな利点です。
何百年も前からヨーロッパとアジアを結ぶ航路の中継点として
マレー半島は重要な位置を占めていました。
そのマレー半島の最南端に位置するシンガポールが物流の拠点として
優位な位置にあることは今に始まったことではありませんね。
港湾地区のコンテナ埠頭の大きさ、シンガポール沖に停泊するコンテナ船の数など、
日本の港湾以上のものを目で見て感じることができます。
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で、なぜアパレル企業がと言う話ですが、
小売市場の成長が著しいからというのが大きいと思います。
国民に占める富裕層の割合も大きく、
多民族国家である上に、さらに外国から赴任している富裕層も多いんですね。
アジアだけでウケる商品ではなく、世界的にウケる商品である必要があるのですが、
シンガポールでの成功は世界への足がかりとも言える訳です。
私も何度かシンガポールに行ったことがあります。
行く度にシンガポールのあらゆる優れた面に関心させられます。
治安の良さ、インフラの充実、エコロジーなエネルギーシステム、
高度な教育などなど。。。
しかし、そんなシンガポールではありますが、現代的な面とは裏腹に
出版物がいまだに検閲されるなど、
近代国家としては信じられないような面もあるようです。
今日はちょっといつもと違った感じで書いてみました。
当店のような小さなお店とは全く関係ないような規模の大きなお話ですが
こういった事情を知っているのと知らないのとでは、
日々の仕事について考える上で案外違ってくるものですよ。

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